シンゴのきになる話㊳ インドの生け花師匠の巻(その1)

こんどのお話は私がかつてインドで勤務していたときのことです。

勤務していた工場の事務所の壁は、まるで病院のように白一色で殺風景なのでした。私のオフィスも壁は白一色で、なにか落ち着きませんでした。

それで、私は工場の花壇に咲いている花を部屋に生けて飾ろうと思いつきました。

ある朝、花壇の散歩をしたついでに花を摘んできて、使用人にこれを生けるように頼みました。

彼が花を生けてきた入れ物を見ると、それは花瓶でなくペットボトルを切ったものでした。

そして、次の日からは、掃除のおばちゃんが花壇から花を採ってきて生けてくれるようになりました。

でも、それは単に花を容れ物に投げ込んだだけのものだったのでした。

インドでの生け花修行の巻(その2)につづく

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