新加坡回想録(34)水泳教室

私自身は海のそばで生まれ育ったこともあって泳ぎは小さい頃から何となくできた。特別に習うでもなく遊びの中で覚えたので、選手のようにきれいなクロールはできないが、海や川に落ちたときにしばらく立ち泳ぎで浮いていることは問題ない。

その点、都会で育った子は水につかるということを敢えてしないと泳げないということになりがちだ。夏休みに一家で親の実家に帰省して水泳を覚えるなら最高だが、だんだんとそういう機会が減ってくると「水泳教室」が流行ることになる。

現に、我が家の長女も有名な「〇〇スイミングスクール」に通った。おかげで平泳ぎだけでなくきれいなクロールまでできるようになった。次女が水泳を覚えたのは、丁度シンガポールに住んでいる時だった。日本のように〇〇スイミングスクールはなかったので、個人レッスンをうけることになった。幸いにして住んでいたフラット(マンション)に大きなプールがあったので、そこで習ったおかげで一応クロールまでできるようになった。

ところで、シンガポール・現地の子どもたちが習う特殊な訓練があることをご存知だろうか?それは、靴を履き服を着たまま水に飛び込んで泳ぐ訓練である。この時服はパジャマを着ることが多かった。つまり、普段、海や川に落ちたときに慌てず、水の中で靴を脱ぎ、服も脱いで泳ぐ方法を教えるのだ。考え方がじつに合理的なので私は大いに賛成である。

日本の子どもたちもこれに習って小学校でこれを習えばいいと思ったがそれはなかった。考え方の違いなのか何故なのか未だによく分からない。

(西 敏)

 

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