手拭いの暖簾(6)蛍-II

3年前の5月20日過ぎに石垣島へ行く機会がありました。

現地の方の案内で蛍狩りに出かけました。小高い丘の上の公園の駐車場で先ずは腹ごしらえ!持って行ったお弁当でデイナーピクニック!

それからなだらかな遊歩道をかなり歩いて展望台へ。せせらぎに沿い、橋を渡りどうしてこんなに歩くのかといぶかしく感じました。やっとたどり着いた展望台からは暮れなずむ町が見渡せました。疲れも吹っ飛ぶ南国の雄大な景色でした。

少しして日も暮れユーターン開始。あっという間に小さな濃い黄色の蛍が飛び始めました。次第に増え360度光を放っています。まるで光のジャングルの中にいる感じです。身体にもぶつかってくるように思えて子供にかえって掴もうとしましたがそれは叶いませんでした。

往路の道のりはこの楽しみの為だったのでした。蛍に酔いしれた一夜でした。季節が終わる前の乱舞だったのかも知れません。素晴らしい思い出です。ちなみこの小さな蛍は八重山ヒメホタルと言うそうです。蛍の季語は俳句では6月だそうです。石垣島では3月下旬から4月初旬がその季節だそうです。南北に長い日本列島では思わぬチャンスもあるようです。

余談ですがその夜送られてホテルに帰ったあと、物凄い雨になりました。空から地面に直角に叩きつけるような感じです。送って下さった方は車のドアが開けず、やっとのことで脱出できた時はびしょ濡れだったとかで申し訳ないことでした。

翌朝は嘘のように晴れて穏やかな海が広がっていました。家々はこの暴風雨や度々の台風に耐えられるようにしっかりと建てられてあるそうです。           (写真:石垣島川平湾のグラスボート)

 

AZ

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