フランスあれこれ61~お酢と油=私の思い出骨董品(1)

我が家の想い出博物館にある一品です。何時の頃手に入れたものか静かに陳列棚に鎮座していますが、これを見るたびに日本の「お神酒徳利」(おみきどっくり)を思い浮かべます。

お神酒徳利は何故か2本、いつも並んで神棚にお供えします。無論お酒を供えるのですが、お供えしたお酒を頂くことでご利益を頂戴すると聞かされています。そしていつも巷で耳にするのは「あのお二人はお神酒徳利!」だという表現です。いつも二人で仲良くしている風情でしょうか。

さてフランスの骨董ですがお神酒徳利が二本とも抱き合って一体化しています。片面に男、もう一方には女性の絵柄です。彼らは仲良しで離れがたいペアーだという事でしょう。口の部分に一方は“V”、他方には”H”と書かれています。“V”はVinaigre(お酢)そして“H”はHuile(油)を意味します。即ちこれはサラダを頂くときのドレッシング材料の入れ物です。

お酢と油は混ざりません。互いに受け入れがたい背反の関係でもあります。しかしサラダには欠かせないもので、いつも一緒、そして絶妙の相性だという事です。個性は違っても非常に良いコンビネーションといえます。これぞフランスのお神酒徳利です。

なおこの品物はフランスのカンペール(Quimper)の陶器で、今では日本でもよく知られています。我が家にはほかに絵皿が二枚玄関の壁に掛かっていますのでご覧いただきます。

                 

 

 

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