シンゴ旅日記ジャカルタ編(22) 日帰り旅行 その4 サーフィンと温泉の巻
日帰り旅行の4回目はインド洋を見に行きました。
私の部下がインド洋でサーフィンを楽しんでいると聞いたので、私の前任地のインドと繋がるその海を見に行きたくなったのです。また、ジャワ海の方ではサーフィンが出来る波が起きないようです。
その日は朝7時にチカランを出発しボゴールを抜けスカブミ県に入り、長い山道を上り、下るとに港町が目の前に開けました。着いたのは11時ころでした。
長時間休憩なしのドライブでしたのでコーヒーブレイクにしようと入ったレストランにはフィルターで濾したコーヒーはなくインドネシアのコピ・ヒタム(Kopi Hitam=黒いコーヒー)しかありませんでした。
それで他の店を探しましたが、どこもコピ・ヒタムばかりでした。ホテルならドリップ式コーヒーが飲めるだろうとホテルに入りましたが、ホテルのコーヒーもコピ・ヒタムでした。
私はあきらめてあの口の中にコーヒーを挽いた粒々が入ってくるコピ・ヒタムを飲むことにしました。
休憩してホテルを出ると駐車場に同じ模様の入ったオートバイが数台並んでいて車体にはGogobliと書いてありました。そして、そのオートバイたちが一台一台と駐車場から整列して出発して行きました。私は車に乗り込んで運転手さんにあの一団はGojek(オートバイタクシー)のようなものかと聞くと、オンラインで化粧品や健康食品を販売している会社ですと教えてくれました。
ホテルを出る時に運転手さんがサーフィンをする部下の車の運転手に電話をしてサーフィンをする場所を確認しました。
そして、海岸線に沿って走っていくと、道路の真ん中に机を置き、両側に人か立ち車を止めていました。独立記念日の前になると村々ではお祝い行事をするための資金を集めるために道路を走っている車を停めて運転手から小銭を徴収することがあります。
私はその寄付集めかなと思ったら海岸の通行料30,00ルピア(約240円)を払う場所でした。
そのあと運転手さんは大通りから小道に入っていきました。
すると、そこには手動式の踏切のように錘のついた竹竿が道をブロックしていました。
それは竹竿の先に紐をつけ手で上げ下げするゲートで、そこで入場料を10,000ルピア払いました。
ゲートを上げてもらい細い道をさらに進んでいくと、海がみえました。
そして海に面した狭い駐車場があり、車が三台ほど駐車していました。車から降りて海を眺めると少し沖に10人くらいのサーファーが波に浮かび、大きな波を待っているのが見えました。
そこで、サーファーたちの波と戯れる様子を眺めました。
海岸の一角には「ゴミは持ち帰りましょう」とインドネシア語、英語、そして
日本語で書いたサーフボードが立てられていました。
海を眺めているとちょうど12時になったので、私たちはから食事に行くこと
にしました。
海ですから美味しい海鮮料理が食べられると期待しました。
大きな道路に戻り美味しそうな料理が食べられそうなレストランを探しました。
そしてちょっとしたホテルのような建物を見つけ、入り口の人に聞くとレストラン
があるというので車を駐車場に入れ、建物に入っていき、階段を上がり2階に
行くと、テラスから海を眺めながら食事ができところでした。
しかし、お客さんは私と運転手さんの二人だけでした。
料理を注文し、出て来るまで運転手さんと写真を撮り合いました。
料理が出て来るのに時間がかかるので運転手さんが二回ほど調理場に督促に行きました。
結局料理が出てきたのは注文して一時間経ってからでした。
料理中に運転手さんがこの近くに温泉があると教えてくれました。それで料理を食べ終わってからそこに行くことにしました。
レストランから出て海岸線を少し西に走り山の方に上っていき
ました。するとまた道路上で通行料を払いました。
なんでこんな山道で通行料を払うのだろうと運転手さんに聞くと
そこが温泉地への入場料だったのです。
売店が並ぶ駐車場に車には大型バスが何台も停まっていました。
私たちも車を停め、売店横の坂道を降りて行きました。
すると川から蒸気が吹き上がる光景が目に入ってきました。
川に近づいて行くと硫黄の匂いが鼻に入ってきました。
川の中では噴き上がる蒸気の回りで多くの人が水に浸かっていました。
しかし、川の水がちょっと汚れていたので私は川に浸かるのをあきらめました。
すると運転手さんがお湯に浸かれるところがあると言い、そちらを見ると温水プールの入口がありました。入場料は一人2,500ルピア(約20円)でした。中に入ると近くに大きなプールがありました。
私は海に行くためにとTシャツと短パンの着替えは持って来ていましたが、下着は準備していなかったのでプールに浸かることはやめました。
すると係のおじさんが奥にもっと熱いプールがあるよと教えてくれました。
それでは足湯をしてみようとそこに向かうと、すでに多くの人がプールの縁に腰かけていました。
私も腰かけて足を入れてみると熱くてとても2秒と浸かっていることのできない湯でした。
私は顔を上げてプールの対面を見ると座っている人たちが私の様子をみていました。
帽子を被った日本人か韓国人がわからない人物が来て、足湯をしているのが珍しかったのでしょうね。なかには私の方を見ながら自分は熱い湯に太ももまで浸かることが出来るぞとプールに足を突っ込んでくれる人がいました。すると回りからはやんやの声が湧き上がりました。
私の運転手さんはこうなることがわかっていたのか、早々と入り口近くの低い温度のプールに浸かっていました。私は彼を呼びに行き他のお客さんと一緒に足を湯に入れているところの写真を撮ってもらいました。そして彼にちょっと湯に足を入れてみてと頼むとその暑さにびっくりしていました。そしてまた低い温度のプールに戻って行きました。
私も足湯を終えて低い温度のプールで運転手さんが上がるのを待っていたら、マッサージをしませんかと呼びかけて来る人がいました。でも、どんなマッサージがわからなかったので躊躇していると、その人は「ちょっと試してみて、ダメでもいいですよ」と言いました。
近くにいた運転手さんも「まだ時間があるので、行って来て下さい」とすすめてくれました。
それで私はマッサージを試してみることにしました。
案内されたところはシャワールームにタイルの段があるところでした。
中にはおじさんがいて、ホースで温泉の湯を高圧で体に掛けて行くというものでした。
下着はつけたままでよいということでした。替えを持ってこなかった私はこれまた躊躇しましたが、帰りは下着なしで短パンをはけばよいと決心してマッサージを受けることにしました。
高圧のお湯が最初に足、そしてタイルの上にうつぶせで背中に掛けられ、それが終わると、湯の華のようなものを体に刷り込みながら湯を掛けてくれました。気持ち良かったです。
マッサージを終えると帰りの時間が気になったのですぐに着替えて帰途に着きました。
帰りは来た道とは違う道を通って帰りましょうと運転手さんに言いました。
そして私はマッサージの後の気持ち良さと車の振動で眠ってしまいました。
そして目を覚ますと辺りはすでに暗くなっていました。スマホで位置の確認をするとまだボゴールの手前でした。来るときは4時間かかっただけでしたので、もうとっくにアパートに着いている時刻のはずですが、運転手さんが道を間違えたようでした。
彼はしきりにスマホの地図を見ながら帰り道を確認していました。帰り道は違う道を通ろうと言ったのは私ですので文句が言えません。アパートには出発してから7時間後の夜10時に到着しました。
丹羽慎吾