シンゴ旅日記インド編18 小言幸兵衛インド版の巻
何だね、この国は。
『インド』という名前だけあって真ん中に『ン』の付く言葉に小言が言いたくなるのじゃ。
『ゲンゴ(言語』)『ケンサ(検査)』『オンナ(女)』じゃ。
まず『言語』。
何で同じ国の人が違う言葉を話すのじゃ。
通訳がいるじゃないか。この国と競争している中国を見ろ。統一言語で頑張っているではないか。
ところがインドは地方語が優先しておるのじゃ。町の名前も地方語読みに戻してしもうて、困ったもんじゃ。
ボンベイがムンバイ、マドラスがチェンナイ、そりゃ、世界の人は知らんぞ。藩王の時代に逆戻りじゃて。
次に『検査』。
空港の検査は日本人から見ると異常じゃな。
いくら08年のボンベイの爆破事件、毎月起きる毛沢東派の殺害。
いくらインドネシアに次いで世界で2番目にイスラム教徒が多く、1億5千万人もいるにせよじゃ。
まず、空港の外でトーチカのように土嚢を積んで銃を向けておるのじゃ。
その横の入り口で軍人に、E-チケットとパスパートを渡す。わしの顔をじっと見る。わしがテロリストの顔に見えるかと聞いてやったわ。そしたら“Duty、Duty” って言っておったわ。
空港に入ってチェックインする前にまた同じ検査。何でじゃ、わずか10mも離れていないじゃないか。
そして、チェックインして搭乗券をもらって待合室に入る前にまた検査じゃ。今度は手荷物のX線検査とボティ・チェックじゃ。
おぃおぃ、わしの荷物をゾンザイに扱うな。ナニ、パソコンをカバンから出して、携帯もトレーに入れろとな。
身体検査は男女別々じゃ。ポケットのもの全部出さんとイカン。
コラッ、出張の前借で膨らんだ財布を変な目で見て、中身を確かめるな。
そして体中を探知器と手で上から下まで触る。ホモかお前は。
そして聞く。『日本人か、中国人か』 パスポートを見れば分るじゃろうが。『名前は』検査と関係あるのか。その次は住所聞くのか?そして電話番号か?
やっと身体検査が終わる。搭乗券に2箇所判を押してもらう。
手荷物はX線の検査箱から出てきてローラーコンベアの上に置きっぱなしじゃ。こちら側の受取台の上に置いてくれないのじゃ。おぃおぃ、台の上に置いてくれ、わしゃ手が届かんのじゃ。
それにX線の検査係り多すぎるぞ。2度通したりしておる。何やら仲間同士で楽しくしゃべっとる。役所かここは。
フライトの時間が迫っておるのじゃ。早くせいっ。
かつて日本からの出張者がお土産に時計持ってきて、中を見せろと言われ、包装紙、箱まで全部ばらされたことがあった。お客様のところで裸で手渡しごめんと言い訳しておったな。
手荷物には2センチx5センチくらいのタグが用意してあり、自分でつけて検査印をもらうのじゃ。手荷物受け取るときにはその検査印があることをよ~く確認せねばならんのじゃ。
そして飛行機に乗ろうとゲートへ。ここでまた軍人がタグに検査印があるかチェックするのじゃ。
先の出張者は飛行機を待っている間にタグが取れてしまい、気づかずに搭乗しようとして、ここの検査でアウトじゃ。もう一回検査場に戻りタグをもらい検査印もらったことがあったのじゃ。
言っておくが、わしのことじゃないぞ。絶対に。
最後に『オンナ』
インドのオンナは図々しいのじゃ。まず列に横から割り込んでくるのが平気じゃ。
空港で、結婚式の料理で並ぶときもじゃ。女だから許してもらえると思っているのじゃ。
でも可哀想なのじゃ、サティという風習がある。夫が死ぬと殉死するのじゃ。
いまはそうでもなしらしいが未亡人は不吉とされているようじゃ。
結婚するときは女のほうが莫大な持参金を持っていくそうじゃ。それで女の子は育てたくないとデリーあたりでは間引きするといわれとる。
そんで男と女の人口比率が10対9とのことじゃ。そんなんでは、ホモとエイズが増えるはずじゃ。エイズ患者は世界一だて、インドは。
今回は写真が少なかったな。『ン』のつくものにカメラ向けるのはわしでも怖いのじゃ。
丹羽慎吾