シンゴ旅日記インド編(76)額のマークの巻
インドの人は額に白や赤い色のマークをつけています。
それらにはティルカ、ビンディ、シンドゥールの3種類があります。
項目 | ティルカ/ティーカ | ビンディ | シンドゥール |
1.性別 | 男女とも | 女性一般 | 既婚、夫が在命中の女性 |
2.材料 | 練り物あるいは粉 | 練り物、シールあるいは宝石 | 練り物 |
3.目的 | 儀式、お祈りのとき | 結婚式あるいは化粧 | 既婚の印 |
4.宗教 | インド人一般 | ヒンドゥー教徒のみ | ヒンドゥー教徒のみ |
5.場所 | 額と他の体の部分にも | 額の真ん中 | 額の生え際に |
6.その他 | シヴァ神が第3の目から炎を出すときは世界の滅亡の時です。
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額は神聖な場所
最近は宝石を付けたりし、ファッションになって来ました。 |
最初は結婚式で新郎が
新婦に施します。
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ティルカにもいろいろ種類があるのです。
写真左はヴィシュ派でVが大きく描かれます。
写真右はシヴァ派です。ティルカの上にも少しマークがありますね。ここに大きく3本の白い線を描く人もいます。
ティルカの白い色はビャクダン(サンダル・ウッド)の灰を使います。
赤い色の原料はキク科のベニハナと言われています。ベニハナから取れる色素には殺菌効果がありミイラの布に使われたり、皮膚病の治療にも使われていたそうです。
私がシンガポールに駐在していた時、かつて同国に駐在して先輩からリトルインディアでインド人が額につける黒い顔料を買ってきてくれ言われました。
白髪染めに使うと一番いいとのことでした。
あれもティルカのことかと思い出し、赤でなく黒いティルカがあるのかとこちらで私のスタッフに聞きました。
あるのです。
通常は赤い顔料ですがヴィシュヌ神が化身するある神だけは黒いティルカをつけるそうです。シンガポールにはその宗教を崇拝するインド人(タミール人)が多いのでしょうね
次の写真は額にビンディと髪の生え際にシンドゥールを施している事務所のメイドさんです。
なぜ額にマークをつけるのか、インドには漢方みたいな自然医学であるアーユルヴェータがあります。
その医学では額には急所のひとつがあり、そこにティルカをつけることにより精神が落ち着くと言われます。
皆さんも一度試してみてはいかがですか?
また、額とは別に女性が腕や手に施す入れイレズミ風の模様をメンディと言います。
これは結婚式で新婦やその友人、デバーリ(インドの正月)に多く見られます。
男性も結婚式だけこのメンディを施すそうです。
下の写真は南インドの客先の結婚式で見てびっくりした花嫁の入れイレズミです。
他の地域でも時々見かけるのですが、写真を取らせてもらう勇気がありません。
メンディの原料はへナという草です。
日本でも髪の手入れに使われるなど人気があるみたいですね。
このメンディの写真は私のスタッフから貰った彼の奥さんのです。__